車のローンが払えない!対処法を徹底解説
車を買ったときには払えるはずだった自動車ローン。しかし、失業や病気、取引先の倒産など何らかのアクシデントで支払えなくなることもあります。
そんなときはどうしたら良いのでしょうか?
ここでは、自動車ローンが払えなくなったときの解決法について解説します。
このコラムの目次
1.車のローンが払えない!
多くの人は、車を購入するときに自動車ローンを利用します。
車は非常に高額な買い物であるため、何年もかけてローンを払うのは普通のことですが、状況が変わってローンが返せなくなってしまうこともあります。
車のローンの特徴は手元に利益が残っている点です。お金は使えばなくなりますが、ローンで購入した自動車は存在しています。
借金であれば「返せない」と言われればそれまでですが、自動車の場合は現金化できるので、ローンが払えなくなると車の引き上げが行われます。
2.滞納から車の引き上げまでの流れ
(1) 最初は督促状が送られる
自動車ローンの引き落としができなかった場合、ローン会社は督促状を送付します。
督促状はシール式のハガキで、引き落としできなかった旨と、再引き落とし日の期日、延滞金について記されています。延滞金は1日目から発生します。
一般的に自動車ローンの延滞金は14~20%程度で、仮に100万円借りていて延滞金が14.6%の場合、1ヶ月あたり12,000円の利息が発生します。
借入額が大きいほど延滞金も高額になるので、滞納が長引くほど支払いは厳しくなります。
(2) 再引き落とし日を過ぎると電話での督促
指定の再引き落とし日にも入金がない場合は、電話での督促が始まります。
自宅に電話してでなければ携帯、何度かけてもでない場合は職場に連絡がくることもあります。
その際にもローン会社の名前は名乗らないので、それだけで借金の督促とはバレませんが、普段部外者から電話がかからない部署であれば同僚に不審に思われる可能性はあります。
そのため、職場に電話をかけられたくない場合は、自宅か携帯に電話がきた段階ですみやかに電話にでることをおすすめします。
(3) 3週間~1ヶ月ほどで車が引き上げられる
再々引き落とし日にも入金がなかった場合、再度連絡をして入金を促しますが、その期日に間に合わなかった場合は車の引き上げが行われます。
車はローンが完済するまで所有権はローン会社にあるので、支払がなければいつでも引き上げることができるのです。
車の引き上げは最初の滞納から3週間~1ヶ月ほどで、約束の期日に一日でも間に合わなかったら即座に車を引き揚げる会社もあれば、そこから少し猶予をくれる会社もあります。
そのさじ加減は会社や担当者によっても微妙に異なるようです。
引き上げ日は事前に決められ、入金がない場合は何月何日に車を取りにいきますと伝えられます。
(4) 引き上げから1~2週間で売却
車が引き上げられてから1~2週間経過しても滞納が解消されず、支払の目途が立ちそうにないときは、車は売却されます。
売却日までは支払をすれば手元に戻せるチャンスはありますが、間に合わない場合は二度と戻ってくることはありません。
(5) 延滞情報でブラックリスト入り
自動車ローンが払えないときは車を返せばそれで終わり、ということはありません。
車が引き上げられ売却された場合は、信用情報機関に「延滞」が載ることになります。いわゆるブラックリスト入りです。
ブラック入りすると、以後5年間は新たに借り入れをしたり、クレジットカードを作ったりすることもできません。
(6) その後もローン返済は続く
自動車ローンを延滞し車が売却されても、その価格がローン残高を下回る場合、ローン返済は続きます。
例えば、1年前に150万円の車を購入し、ローンが払えずに売却をしたら70万円にしかならなかった場合、ローン残高と売却価格の差額を支払わなければなりません。
つまり、手元にない車のために延々と借金払いをしなければならないのです。
3.車のローンが払えなくなったときの対処法
車のローンの滞納を放置すると最終的には引き上げ・売却となり、車は失ってローンだけ残ることになります。
そうならないためにはどうしたら良いのでしょうか?
(1) ローン会社に相談
車のローンが支払えなくなった場合は、すぐにローン会社に相談をして下さい。
多くの人はローンの支払いができないときに、交渉ができるとは考えず、支払いを諦めて督促を無視してしまいます。
しかし、それは最悪のパターンです。督促から逃げても問題は解決しません。
ローン会社に支払ができないと言ったら、厳しい対応をされると思いがちですが、ローン会社の人にしてみれば、多少遅れてもきちんと払ってもらいたいのが本音です。
特に自然災害などやむを得ない事情などがある場合は、必ず相談をして下さい。
(2) リスケジューリングする
ローン会社に相談をする際は単に「支払えない」「支払いが遅れる」とだけ伝えるのはNGです。
払えなくなった理由、いつ頃なら支払える目途が立つのか、今後の展望も併せて相談することが必要です。
基本的に1ヶ月の遅れであれば、再引き落とし日に延滞金と一緒に支払うことで解決します。
それでも対応できない場合は、会社によっては支払ができるまで返済額を減額したり、支払回数を増やすことで月々の返済額を減らしたりするなど、支払い可能となるようリスケジュールにしてもらえることもあります。
もし、ローン会社の担当者が「期日までに支払って欲しい」の一点張りだった場合は、上役の人に代わってもらい、再度事情を説明してリスケジューリングについて交渉をすることをおすすめします。
(3) 任意売却
車の所有権が自分にある場合は、ローン残額があっても売却することは可能です。引き上げ前に自ら売却してそのお金をローン返済に充当する方法もあります。
売却額がローン残高より高い場合は、返済はなくなりますが、ローン残高を下回る場合は残債を返済しなければなりません。
ローンの信販会社によっては、所有権がローン会社になっていることもあるので、その場合、原則任意売却はできませんが、相談の上で売却手続できることはあるので、返済に行き詰ったらまずは相談をしましょう。
(4) 債務整理
車のローン以外にも借金がある場合は、債務整理をすることも検討しましょう。
債務整理は借金を法律的に整理する制度で、主に任意整理、個人再生、自己破産の3つがあります。
①任意整理
借金を減額できる制度です。手続きに際して債権者を選べるので、自動車ローン会社を外せば車を手元に残すことができます。
借金の減額幅は小さいものの、任意整理したものは利息をカットしてもらえるので、借金の支払いは楽になります。
②個人再生
借金を大幅に減額する制度です。
基本的に財産が没収されることはありませんが、個人再生では債権者を選ぶことはできないので、ローン会社から借り入れで所有権担保がついている場合、車は没収されます。
しかし、銀行のマイカーローンで借入をしていて所有権が自分にある場合は手元に残すことができます。
③自己破産
借金は全額免除となりますが、20万以上の資産価値のある財産は没収となるので、それなりの価値がある車であれば没収されることになります。
4.まとめ
車のローンが払えなくなった場合、滞納から1ヶ月ほどで車が引き上げられてしまいます。そうならないためには、事前にローン会社に相談して、支払いのスケジュールを見直ししてもらうなどして対策を立てましょう。
もし、車以外にも借金があり、それで支払いが滞っている場合は債務整理することをおすすめします。方法によっては車を残せる可能性があるので専門家にご相談下さい。
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