債務整理

借金の消滅時効とは。借りたお金を返さなくてよい?

借金の消滅時効とは。借りたお金を返さなくてよい?

かなり昔に借りたお金について、突然返還を請求されたことはありませんか?

借金をしたが、返済せず、長期間そのまま放置していた場合、消滅時効が成立しており、法律上、返還をする必要がない場合があります。

ここでは、消滅時効制度の概要、要件等について説明します。

1.消滅時効制度

(1) 消滅時効とは

刑事事件で時効が成立した等のニュースは聞くことがありますが、民事においても、時効制度というものがあります。

民法は、債権者が債務者に対して貸したお金の返還を請求せずに、法律で定められた一定期間が経過した場合に、債権者の権利を消滅させる消滅時効制度というものを定めています。

消滅時効により債権者の権利が消滅することになる以上、債務者の借金を返済する義務もなくなるというわけです。

(2) 時効制度の趣旨

民法が消滅時効を定めた趣旨として、他説ありますが、代表的なものとして、以下の3つが挙げられます。

①永続した事実状態の保護

1つは「永続した事実状態の保護」です。一定の事実状態が永続するときは、社会はこれを正当なものと信頼し、これを基礎に様々は法律関係を構築されていきます。

後になって、基礎となった事実状態を覆すとなると、これを基礎に構築された法律関係についても必然的に覆されることとなり、混乱が生じてしまいます。

まして、長期にわたって、事実状態が毛永続している場合、これを基礎に多くの法律関係が生じていることが多いので、社会に大きな混乱を生じさせかねません。

こういった観点から、長期にわたって権利が行使されていないという事実状態が継続しているのであれば、その事実状態に合った法的効果を認めるべきであるという考え方が生じたというわけです。

②権利の上に眠る者は保護せずの精神

2つめは「権利の上に眠る者は保護せず」というものです。

権利があるにもかかわらず、長期間にわたって、何らの権利行使も行わないという者は法的な保護に値しないという考え方です。

③証拠の散逸

3つめは「証拠の散逸」です。

時の経過とともに、人間の記憶は薄れていきますし、証拠資料等は次々と散逸していくことになります。

こうなると、当事者は、証拠を揃えらず、法律関係の立証ができないという不利益を負うことになります。このような不利益を救済するための消滅時効制度が設けられたという考え方です。

以上説明した考え方以外にもいろいろな考え方がありますが、これらのような理由から、法は、消滅時効という制度を設けていると考えられています。

2.要件

消滅時効完成の要件は2つあります。以下、説明していきます。

(1) 一定期間の経過

消滅時効が完成するまでの時効期間は、借金の種類によって異なります。

まず、消費者金融やクレジットカードなどの貸金業者からの借金や、銀行からの借金については、時効期間は5年となります。

対して、信用金庫や公庫などからの借金の時効期間は10年です。

これらの違いは、基本的には、債権者が営利目的のために貸付を行うかどうかによります。

営利目的で貸付を行う場合、商法の適用により時効期間は5年間、非営利目的の場合、民法にしたがい、時効期間は10年間となるわけです。

ただし、注意すべき点として、信用金庫などから借り入れる場合でも、個人事業者が事業の運転資金などのために借入をする場合については、営利目的のために借り入れを行う以上、商法が適用され、借金の時効期間が5年となります。

個人からの借金の場合も、営利目的を有するか否かにより分かれ、有しない場合、時効期間は10年間、有する場合、時効期間は5年間となります。

借金における消滅時効の起算点は、最後に返済を行った日の翌日ですから、そこから数えて上記期間が経過していれば、借金が消滅時効により消滅している可能性があります。

(2) 時効の援用

時効の援用とは、時効制度を利用する意思があることを相手方に伝えることを言います。

消滅時効について、時効期間の経過により、自動的に相手方の権利が消滅するわけではありません。

援用によってはじめて時効完成の効果が生じ、借金を返済する必要がなくなることになります。

援用の方法について、法律上規定はなく、口頭での援用も可能ではありますが、後々援用の有無を巡って紛争になった場合に備える必要があります。

そこで、「時効の援用をした」という証拠を残すために、援用については、内容証明郵便を利用して債権者に対して時効援用通知書を送るという方法が一般的となっています。

3.時効中断事由

民法は、時効の完成により不利益を受ける者のため、時効を止めるための措置として、時効中断という制度を用意しています。

債権者が時効中断事由に該当する手段をとることによって、時効の進行は停止し、それまで進行していた時効期間についてもリセットされることになります。

民法は、時効中断事由として、

①請求
②差押え、仮差押え又は仮処分
③承認

の3つを定めています。

①の請求とは、裁判による請求、つまり訴訟のことです。裁判外での請求は、時効中断事由としての請求には該当しません。

②は、民事執行による差押え、民事保全による仮差押え、仮処分のことです。

③は、債務者の方で、債権者に権利があることを認めることを言います。

4.突然請求が来た場合の対処法

消滅時効が成立しそう、もしくはすでに成立している債権についての請求は、差出人が、本来借りたはずの貸金業者ではなく、「〇〇債権回収会社」など違う業者になっていることが多いです。

債権回収会社(サービサー)は、貸金業者等が有する回収が困難な債権を譲受し、これを回収することを主な業務とする会社です。

突然、借りた覚えのない会社から請求を受けた場合、身に覚えがないとしてなにもせずに放置する方もいらっしゃいますが、これは避けるべきです。

請求が来て、これを無視し続けたばあい、債権回収会社は訴訟を起こしてきます。

裁判というものは、出席しなければ敗訴してしまいますから、敗訴により、時効中断事由が認められ、消滅時効の援用ができなくなってしまいます。

また、債権回収会社から電話等がかかってきて、ついつい返済の約束をしてしまう方もいらっしゃいますが、これは、時効中断事由である承認に該当しますので、電話がかかってきた際は、返還の約束をしないよう気を付ける必要があります。

5.まとめ

以上、時効制度について簡単に説明してきましたが、自分のケースで消滅時効が成立しているのかを判断するのは意外と難しいものです。

泉総合法律事務所では、時効の援用について無料法律相談を行っているので、消滅時効が成立しているのか判断に迷った際は、お気軽にご相談ください。

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