債務整理

個人再生が出来ない人とは?失敗しないために注意すべきこと

個人再生ができない場合がある?失敗しないために

個人再生手続は、裁判所が関与する手続である以上、法律に定める要件を満たしている必要があります。

要件を満たしていない状況であれば解決策や他の手続の選択を検討しなければならず、要件を満たさないまま個人再生手続の開始を申し立てても、申立ては「棄却」、すなわち通らないことになります。

では、具体的に個人再生が出来ない人とはどんな人なのでしょうか?個人再生を成功させるには、どのような点に注意すればよいのでしょう?

ここでは、個人再生が出来ない要件や注意すべき点について解説していきます。「個人再生が出来なかった」「申請が通らなかった」とならないためにも、是非お読みください。

1.個人再生が出来ない人

まず、個人再生手続ができないケースを見ていきましょう。

個人再生が認められないケースは、申立て時から時系列順に、「棄却」、「廃止」、「不認可」、「取消」の4つがあります。
具体例を挙げて説明しましょう。

(1) 棄却

具体例:住宅ローン以外の借金総額が5,000万円を超える

個人再生手続の要件の一つに、「住宅ローン以外の債務の総額が5,000万円以下であること」があります。

通常、個人の借金が5,000万円を超えることはほとんどありません。

しかし、会社の代表者等であって会社の債務を保証しているような場合には、保証債務を含めると住宅ローン以外の債務総額が5,000万円を超えてしまうケースは珍しくなく、そのような場合には裁判所は申立てを棄却します。

偏頗弁済(不当な目的での申立て)や、個人再生するには収入が足りない(継続的・反復的に収入を得る見込みがない)場合も棄却される可能性があります。

また、予納金が支払えない場合も棄却されます。

(2) 廃止

具体例:再生計画案が債権者の書面決議で否決された

個人再生手続のうち、小規模個人再生では、再生計画に不同意(反対する)の債権者が半数に満たず、かつ、不同意の債権者の債権額が債権総額の2分の1を超えないことが要件の一つとなっています。

仮に債権者の状況が、A銀行100万円、B銀行100万円、C銀行300万円の計500万円であった場合、債権額の過半数を占めるCが反対すれば、小規模個人再生は廃止されます。

個人再生が廃止になるケースには、これ以外にも、財産目録に記載すべき財産を記載しない・不正な記載をした、期限までに再生計画案が提出されない場合などがあります。

(3) 不認可

具体例:履行テストの結果が芳しくない

個人再生では、認可の前に履行テストいう、再生計画に基づいて実際に毎月返済していく本番さながらのテストを行う運用がなされている裁判所が数多くあります。

ここで連続して返済が滞るなどすると、個人再生が不認可とされる可能性が大です。

個人再生の不認可については、これ以外にも、偏頗弁済(再生債権者の一般の利益に反する)や、住宅資金特別条項を利用しているマイホームに税金滞納による差し押さえを受けている場合などが考えられます。

(4) 取消

具体例:再生計画が履行できない

これは、履行テストではなく、再生計画本番で履行ができない場合です。1回でも返済を怠れば、債権者は裁判所に対して個人再生の取消の申立てをすることができ、申立てに基づいて裁判所は取消の決定をすることができます。

取消が決定すると、借金が復活します。ただし、再生計画に基づいてなされた弁済については有効で、弁済分を控除して返済していくことになります。

これ以外では、後から財産隠しなどが発覚した場合、弁済予定額が再生計画認可時の清算価値を下回っていた場合などに取り消されることになります。

ただし、この取消決定については、債務者の不服申し立てが認められています。

2.住宅資金特別条項が利用出来ない人

次に、個人再生手続のオプションである住宅資金特別条項(住宅ローン特則)について見ていきましょう。

住宅資金特別条項とは、個人再生を行っても、持家の住宅ローンだけは減額せずにそのまま支払い続けることで、マイホームを守ることができる特例です。

この条項を利用するための主な要件を整理すると、以下の①~④となります。

  1. 住宅資金特別条項の「住宅」に当たること
  2. 住宅ローンであり、かつ、住宅に抵当権が設定されていること
  3. 住宅に、住宅ローン以外の債権の担保権が設定されていないこと
  4. 住宅の所有権を失う可能性がないこと

上記の要件ごとに、どういう場合に認められないのかを確認していきましょう。

(1) 住宅資金特別条項の「住宅」の要件を満たしていない

住宅資金特別条項における「住宅」であるためには、以下のア~エが必要です。

ア 自分が所有すること
イ 自分の居住に供する建物であること
ウ 建物の床面積の2分の1以上が専ら居住の用に供されること
エ 複数の建物を所有している場合は、主として居住の用に供していること

例えば、自分が所有している建物であっても、別居中のためにそこに住んでいるのは妻子のみといったような場合や、転勤等の事情によって家を賃貸している場合には、「イ」の条件を満たしていないと判断されてしまう可能性があります。

また、店舗兼住宅や二世帯住宅の場合には、「ウ」の条件を満たしていないと判断される可能性があります。

このように判断されると、住宅資金特別条項を使うことができません。

(2) 住宅に住宅ローン以外の債権の担保権が設定されている

住宅資金特別条項を利用するには、住宅ローン以外の債権の担保権が設定されていない必要があります。

このような条件が付けられている理由は、住宅ローン債権以外の債権者がその担保権を実行すると、債務者は住宅を失うことになり、住宅資金特別条項が無意味になってしまうためです。

この条件との関係では、例えば以下のような点が問題となる可能性があります。

①住宅購入時に諸費用ローンを組み抵当権が設定されている

住宅購入時に必要な仲介手数料・登記費用などの諸費用を支払うために、いわゆる「諸費用ローン」を組むことがあります。

このような諸費用ローンは住宅ローンではないと判断されることがあり、諸費用ローンに抵当権が設定されている場合には、「住宅ローン以外の債権の担保権が設定」されていることになってしまい、住宅資金特別条項を使うことができません。

抵当権の設定状況は、住宅の登記事項証明書や登記簿謄本で確認することができます。

②マンション管理費等の滞納がある

マンションの区分所有者(マンションオーナー)は、区分所有者全員の供用部分などについて、共同で維持・管理すべき立場にあるので、管理組合は、マンションの管理費、修繕積立金等について、そのマンションの区分所有部分に先取特権という、一種の担保権を有しています。

したがって、マンション管理費の滞納がある場合には、上記の諸費用ローンのケースと同じく、「住宅ローン以外の債権の担保権が設定されている」状況になってしまい、住宅資金特別条項を使うことはできません。

管理費の滞納がある場合には、早期に解消する等の対策を取ることが必要です。

(3) 住宅の所有権を失うと見込まれる

この典型は、固定資産税など税金の滞納によって住宅が差し押さえられている場合です。

借入金など(再生債権)に基づく差し押さえは、再生手続開始決定がなされると、手続は中止されます。
しかし、租税債権は優先権のある債権ですので、それに基づく差し押さえは再生手続の開始決定後も中止されません。

したがって、そのまま住宅の競売手続へと進み、結果、住宅の所有権を失ってしまう可能性があります。

税金の滞納による差し押さえがなされている場合には、滞納分の弁済等によってそれを解消しないと住宅資金特別条項を使うことができません。

3.まとめ~個人再生に失敗しないために~

以上、個人再生手続が出来ない人・住宅資金特別条項が利用出来ない人について解説しました。

申立てをしても、通らなければ個人再生は失敗してしまいます。
しかし、これらの中には適切な対策を取ることによってクリアできるものも多くあります。

何ら対策を取らないまま申立てをして失敗することは避けなければなりません。

泉総合法律事務所では、個人再生手続を含む債務整理に精通した弁護士が所属しております。「対策が出来なかった」と後悔する前に、個人再生をお考えの方はぜひお早めに是非泉総合法律事務所にご相談ください。

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