債務整理

小規模個人再生と給与所得者等再生-個人再生のメリット・デメリット

小規模個人再生と給与所得者等再生-個人再生のメリット・デメリット

1.個人再生の種類

小規模個人再生・給与所得者等再生

自己破産が特定の債務(租税債務など)以外の債務の全額返済を免除する債務整理の手法であるのに対して、個人再生は(多少の違いはありますが)、多くの場合、債務を5分の1に減額し、これを原則3年、例外的に5年分割返済するという債務整理手法です。

そして、計画どおりの弁済が完了すると残りの、5分の4が免除されることになります。

個人再生には2種類あり、通常は小規模個人再生手続きを用います(債務の5分の4を免除というのはあくまで目指すであり、残債状況によっては免除額が減る方もおりますのでその点ご留意ください)。

もう一つは給与所得者等再生という手続きですが、利用できる方が給与所得者や一定の安定収入がある方に限られるなど要件が厳しく、毎回の返済額も小規模個人再生より通常多くなります。

その結果、給与所得者等再生手続きを利用する方は少ないのが現状です。

給与所得者等再生が利用される理由

小規模個人再生手続きでは、個人再生手続きの代理人となった弁護士が作成する再生計画について裁判所が債権者の賛否を問い、債権者の総債権額の過半数かつ債権者数の頭数の過半数双方の賛成を得ることで裁判所はその再生計画を認可する仕組みとなっています。

通常、多くの金融機関は再生計画に再生するのですが、日本政策公庫など特定の債権者は再生計画に賛成しないのが通例なのです。

そのため、そのような再生計画に常に反対している債権者がおり、債権総額の過半数を占めたり、頭数の過半数を占めたりする場合には小規模個人再生手続きをとっても再生計画が裁判所によって認可されないことが事前にわかっていますので、小規模個人再生手続きを申し立てても無駄なことになります。

このような場合には、再生計画の認可に債権者の総債権額の過半数かつ債権者数の過半数の要件を必要としない給与所得者等再生手続きを選択することになります。

しかし、この給与所得者等再生手続きは、誰でも利用できるわけではありません。

会社員などの給与所得者であればいいのですが、自営業者の場合で収入が不安定ならば、給与所得者等再生手続きの利用対象にはなりません。

会社員などで給与所得者等再生手続きを利用できるとなった場合でも、再生計画における毎月の返済額は小規模個人再生手続きと異なり、総債務額の5分の1と清算価値(ご自身の資産総額)それと、収入から政令で定めた生活費を差引いて求める可処分所得を計算し、最も高い金額を毎月返済することになり、小規模個人再生手続きでの返済額よりもかなり多額となるケースが多いです。

可処分所得を基準とした返済額については、収入を基準に算出されるものの、現実問題としては認可されても、人によっては、毎月の給与などの収入で返済していくのはそう簡単ではないことを念頭においてください。

給与所得者等再生手続きは、以上の理由から利用されることが少ないことから、小規模個人再生についてこれから詳しく説明することにします。

2.小規模個人再生手続きを利用するための要件

  • 債務者が個人であることが必要で、会社など法人は利用できません。
    法人は民事再生法をご利用いただくことになります。
  • 住宅ローン以外の債務が5,000万円以下であることが必要です。
    5,000万円以上の債務がある方は民事再生法の通常の民事再生をご利用いただくことになります。
  • 将来において継続的に、または反復して収入を得る見込みがあることが必要です。
    この要件を満たすのは通常は会社員でしょうが、個人事業主でも、安定的な収入があれば小規模個人再生手続きを利用することはできます。現に泉総合法律事務所では、個人事業主の方の小規模個人再生手続きのご依頼を多数お受けしております。

3.個人再生のメリット

(1) 債権者からの督促が止まる

他の債務整理手続きと同じですが、個人再生のご依頼当初、まず弁護士から受任通知を債権者に発送します。

これによって皆様を悩ませていた債権者からの督促が止まります。

(2) 持ち家を残せる

自己破産の場合には、持ち家をはじめ一定の財産以外は管財人が処分換価して債権者に配当することになりますので、持ち家をはじめとして愛着のある財産を手放さなければなりません。

これに対して、小規模個人再生手続きで住宅資金特別条項を利用すれば、持ち家に関しては再生申立後も住宅ローンを払い続けることができ、持ち家をそのまま保有し続けられます。

もっとも、住宅ローンの一番抵当権の次に住宅ローン以外の2番抵当権が設定されている場合には、持ち家を2番抵当権の実行で手放す可能性があるため、住宅資金特別条項を定めることができません。

(3) 資格制限がない

自己破産をすると、破産開始決定から免責許可決定まで保険外交員、警備員、弁護士、税理士、公認会計士など各種国家資格が制限され、この間これら資格を使用することはできません。

一方、個人再生では資格制限がないため、泉総合法律事務所では、資格制限となると困る方の多数から個人再生手続きのご依頼を受けております。

(4) 免責不許可事由がない

破産では、一定の事由がある場合に債務が免除―免責されないことがあります。前回の破産免責から7年以内の場合には免責不許可事由に該当します。

このような場合でも、個人再生では、小規模個人再生手続きでは債権者から再生計画の反対がなく再生計画が認可され、計画どおりの返済が完了さえすれば債務の5分の4など一定部分は免除されます。

再生計画に債権額の過半数かつ債権者数の過半数の反対が予想される場合には給与所得者等再生手続きを利用することで免除額は違うものの、大幅に債務の免除ができます。

もっとも、給与所得者等再生手続きは、一定の方に利用が限られることはすでに申し上げたところです。

4.個人再生のデメリット

(1) ブラックリストに掲載される

個人再生のデメリットとしては、ブラックリストに一定期間掲載されます。

日本には3つの信用情報機関があり、機関によって信用情報の掲載期間が異なります。

ブラックリストに掲載されている間は、クレジットカードを作ることはできませんし、クレジットカード以外のローンを組むこともできませんので、基本的には買い物は現金決済となります。

(2) 自動車の引き取りがある

自動車をローンで購入している場合には、所有権はローン会社にありますので(所有権留保)、個人再生手続きを依頼した弁護士からローン会社に受任通知が届いた時点で、ローン会社は自動車の引き取りにきます。

自動車が日常生活に必要不可欠な地域にお住まいの方は、相談時にこの自動車の引き取りについて伝えますと、少なからずの方が「生活の足がなくなるのでどうするか考えますと」言って案件を持ち帰るのが実状です。

5.小規模個人再生手続きではどの程度の債務を免除できるのか

資産があまりない方だと、債務総額が500万円~1500万円のときは、住宅ローンを除いた債務額の5分の1と、資産の総額の高い方のどちらか高い方を3年間(最長5年間)で返済することになり、計画通りの返済が完了すれば残債は免除されます。

しかし、持ち家の場合には注意が必要です。

持ち家を査定してもらい、たとえば、持ち家が3,000万円の価値があったとします。他方、住宅ローンの残債が1,000万円だったとします。住宅ローンを除いた債務が3,000万円あったとします(負債総額が3,000万円以上ある場合、負債総額の10分の1が最低弁済額となります)。

持ち家の純資産は持ち家の査定額3,000万円マイナス住宅ローン残債1,000万円=2,000万円が純資産となります。

この場合、最低弁済額300万円以上の資産があるため、小規模個人再生手続きはこの資産額2,000万円は全額返済しないといけないということになります。

そのため、債務が3,000万円ですから、小規模個人再生手続きで免除されるのは、1,000万円だけ免除されることになります。

この場合には、最悪持ち家を処分することになりかねません。

他方、持ち家の査定が住宅ローン残債1,000万円以下ならば、資産がないことになり、債務3,000万円の10分の1の300万円を3年から最長5年で返済すれば済みます。

6.個人再生の手続については泉総合法律事務所にご依頼ください。

泉総合法律事務所は、長年債務整理に力を入れて取り組んでおり、破産はもとおり個人再生にも力を入れて取り組みどの弁護士も取り組んでいるだけでなく、弁護士を補助する専門法律知識を有した法務スタッフも多数在籍しております。

あらゆる事案に適切かつ迅速に対応できる体制を確立しておりますので、是非とも泉総合法律事務所に個人再生をご相談・ご依頼ください。

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